2020年、思いもしなかった事態になりましたね。新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によって多くの人の状況が変わったと思います。
一日も早いコロナの終息を祈ると共に、少しでもはやく、そして多くの人々の生活や経済活動の水準が復活することを願ってやみません。
さて、みなさんが勤める会社ではテレワークは導入しましたか?
私の会社では一部導入しましたが…結構バタバタしました。
同じように何とかテレワークを導入した中小企業もあるでしょうが、そもそもテレワークは実施しなかった・できなかったという会社も沢山あるように思います。
結局のところ、中小企業のテレワーク導入って難しいんでしょうか?
自身の体験も含め、私なりにまとめてみました。
Contents
テレワークとは?
この春、急速に世の中に馴染んだ「テレワーク」。
何を示すかはご存じの方も多いと思いますが、改めて調べたところ、「日本テレワーク協会」なるものが存在しました。
以下、そのサイトからテレワークの意味を引用しますね。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語
テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。
引用元:日本テレワーク協会
このコロナ禍で「テレワーク」とよく言われていたものはほぼ在宅勤務のことですね。
在宅勤務はあくまでテレワークのひとつですが、この記事(主に後半)での「テレワーク」は主に「在宅勤務」のことだと思って読んでいただけると幸いです。
日本の中小企業はどのくらいテレワークを導入してるの?
さて、まずはやっぱり日本企業のテレワークの導入具合が気になります。
調査の対象や機関によって公開している結果に多少バラツキは見受けられますが、パーソナル総合研究所さんが2020年4月17日に公開されてる内容によると、テレワーク実施率の全国平均は27.9%とのこと。
緊急事態宣言前と比較すると2倍以上になったと記載がありますが、わたしは結構低いなと思いました。
さらに、同調査結果の企業規模別テレワーク実施率については、従業員数が少ない企業ほど、テレワーク実施率が低くなっています。
画像参照元:パーソナル総合研究所
なんと従業員数が10~100人規模の企業のテレワーク実施率は16.6%!
こちらを見る限り、中小企業(特に小規模企業)のテレワーク導入には大きな課題がありそうです。
※上記は2020年4月17日に公開された調査結果に基づく内容です。5月以降の導入率はもう少し高まっていると思いますが、あしからず。
なぜ中小企業でテレワークの導入が進みづらいか
では、なぜ中小企業(特に小規模企業)でテレワークの導入が進みづらいのでしょうか。
私の主観ですが、テレワーク(主に在宅勤務)の実施を困難にしている3大要因は以下だと思います。
- パソコンの問題
- ネットワーク環境の問題
- デジタルリテラシーの問題
それでは、一つずつ詳しく書いていきます。
パソコンの問題
普段仕事で使用しているパソコンは、持ち運びができるノートパソコンですか?
私は「No」です。デスクトップパソコンをデュアルモニターで使用しています。
パソコン本体に加え、会社と同じ作業環境を用意するのは難しいのです。
でも、デュアルモニターはさておき、とりあえずノートパソコンがあればテレワーク実施に一歩近付けそうですよね。
さて、日本の企業のノートパソコンの普及率はどのくらいなんでしょうか。
2019年の調査になりますが、キーマンズネットさんのアンケートによると、大企業のノートパソコン利用率は8割超えとのこと。
従業員規模別でみると、100人以下の小規模企業では、デスクトップパソコンとノートパソコンの利用率はほぼ同等になっているということから、ノートパソコンの普及率の低さが中小企業のテレワーク実施率にも影響を及ぼしていると考えられるでしょう。
とは言え、急に必要な台数のノートパソコンを用意するだけの資金は会社にありますか?
テレワーク助成金という制度が存在してるくらいですし、テレワークの実施のために、ある程度の資金が必要になるのは想像に難くありません。
また、たとえ資金があったとしても、パソコンは購入がゴールじゃありませんよね。ウイルス対策も含め、パソコンの設定を行わないといけません。
ひとつひとつ調べなからやればできるでしょうが、ハードルが高いと感じる人も沢山居るでしょう。
なんて日が設けられれば素敵ですが、通常業務をしながら時間を見つけて準備する…というケースが多いのではないでしょうか。
もうパソコンの問題だけで、テレワークの導入は大変そうです。
ネットワーク環境の問題
いや、ちょっと待ってください。
事前に社員全員の自宅のネットワーク環境は確認しましたか?
これをしないと、せっかく用意したノートパソコンも役に立ちません。
固定回線でもWi-Fiでもいいですが、インターネット回線は100%日本の家庭に普及している訳ではありません。
現に、私の会社にも自宅にスマートフォン以外のネット回線が無い人は数人いました。
元々ネット回線を契約してるならまだしも、会社のテレワーク導入のため、自宅にも回線を引くように強制することは難しいでしょう。
また、自宅のネット回線の速度に問題はないですか?
仕事内容にも依りますが、ネット回線の速度が遅すぎてしまっては、お話になりません。
特に、資料などのデータの送信やアップロード・ダウンロードが発生する仕事内容では致命的です。
在宅勤務にした結果、ネット回線の速度のせいで業務効率が半分くらいになる、という可能性は十分に考えられます。
デジタルリテラシーの問題
パソコンやネット回線の準備だけではまだ準備万端とは言えません。
在宅勤務の実施にあたり、社員間のやり取りに使用するツールを決めましたか?
すべての仕事が各人で完結するような業務であれば不要でしょうが、多くの場合、会議・報告・相談など、社員同士の連絡・連携が必要となるでしょう。
Skype、Zoom、Chatwork、Microsoft Teams などなど。
まぁ複数人でのWEB会議が可能なツールであれば何でも構いません。
これまでもそういったツールを活用してきた会社であれば特段問題ないでしょうが、会社として初めての試みになるという場合、社員各人のデジタルリテラシーはある程度必要になってきます。
デジタルリテラシーとは?
インターネットを中心にデジタル情報や通信について、さらにはそれらを活用するパソコンやスマートホンなどの機器やアプリについて知識を持ち、利用する能力のことです。
オフィスで面と向かって話ができればまだしも、互いに在宅勤務のなか、必要なツールの操作に難があっては打ち合わせも満足にできません。
これは大企業にも当てはまる問題でしょうが、一人の社員のデジタルリテラシーの低さが会社全体に与えてしまうかもしれない影響は、小規模企業の方が大きいでしょう。
せっかくテレワークを導入したのに、社員間のやり取りが上手くいかず、仕事も捗らず、結果、利益の減少に繋がってしまっては、元も子もありませんよね。
まとめ
以上、私自身の経験を踏まえているので、局所的な話ではありますが、中小企業のテレワーク(在宅勤務)の導入は難しいのかどうかについて書いてみました。
中小企業のテレワーク導入は難しいのか?
大企業に比べると、中小企業(特に小規模企業)でのテレワーク導入は進んでいない。
私の思うテレワーク(主に在宅勤務)の実施を困難にしている3大要因は以下。
- パソコンの問題
- ネットワーク環境の問題
- デジタルリテラシーの問題
確かに、大企業に比べると、資金も人材も限られている中小企業ではテレワークの導入は難しいと言えるでしょう。
解決方法、改善策は?
でも、私の勤め先では、この春、テレワーク(在宅勤務)を実施することができました。
それは、幸いにも、普段からSkypeやChatworkを活用して業務を行っていたため、必要なツールを使いこなすという点では特段問題が無かったということが大きいと感じています。
また、普段はデスクトップパソコンを使用していますが、何台か打ち合わせ用のノートパソコンがもともとあったので、それを在宅勤務で活用しました。
ただ、どうしても解決できなかったのはネットワークの問題で、こればっかりは急に環境を整えることはできませんでした。
しかし、またいつ在宅勤務が必要になるか分かりません。その可能性を考慮に入れ、解決方法は施策済みです。
もっと準備期間があれば、さほど難なくテレワークに移行できたなと感じています。
この春に関しては、コロナによって、急に在宅勤務を含むテレワークの必要性が高まりました。なので、元々テレワークができる体制を整えていなかった企業にとっては、その準備期間がほぼ無かったと言えます。
上に要因として挙げた3つに関しても、計画的に前もって準備さえすれば、すべて解決可能な内容ですよね。
さらに、リモートアクセスという手段を掛け合わせることが出来れば、もっと資金や手間を抑えてテレワークを実施できることでしょう。
※リモートアクセスについては、こちらの記事で紹介しています。
規模の小さい少人数の会社こそ、自分たちに合う形でテレワークを導入することができるんじゃないでしょうか。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ほんのちょっとだけでも誰かの参考になれば幸いです。